MT5ログ肥大化対策|操作ログ・エキスパート・バックテストを削除して軽量化する方法


はじめに

本記事は、MT5(MetaTrader 5)の「操作ログ(Journal)」と「エキスパート(Experts)」、そして「バックテスト(Tester)」のログが肥大化しないように、手動ローテーション(古いログを定期的に削除)する方法を初心者向けに解説します。操作は難しくありません。
もし、自動で削除したい場合は、MT5のログを自動で削除する方法を参照してください。

まずは「どのフォルダにログが溜まるのか」を理解し、定期的に古いログを削除するだけでも十分な効果があります。


まず知っておきたいポイント(超要点)

  • MT5は日付ごとにログファイル(YYYYMMDD.log)を自動作成します。
  • 主な保存先は、Logs(プラットフォーム)と MQL5\Logs(EA/インジ)です。バックテストは Tester\logs に保存されます。
  • ジャーナル画面の「Clear」表示を消すだけで、ファイル自体はPCから削除されません。フォルダで直接削除する必要があります。

ログが肥大化する理由とリスク

  • EAの Print() 出力やエラーが多い、24時間稼働、連続バックテストなどでログが加速度的に増加します。
  • 放置するとディスク容量を圧迫し、VPS/PCの空き容量不足 → 起動遅延・動作の重さ・最悪クラッシュの原因になります。
  • まずは古いログを定期的に削除する習慣をつけましょう。

最短ルートでできる削除手順(手動ローテーション)

1) 操作ログ(プラットフォーム)ログの削除

  1. MT5を開く → 画面下部の「ツールボックス」「操作ログ」タブ。
  2. ログ上で右クリック → 「開く」をクリック(Logsフォルダが開きます)。
  3. 日付の古い .log を選び、不要分を削除します。
    MT5 ツールボックス → ジャーナル タブで右クリック →「開く」をクリックMT5 Logs フォルダ内容のログ画面

2) エキスパート(EA/インジ)ログの削除

  1. 「ツールボックス」 → 「エキスパート」タブ。
  2. 右クリック → 「開く」をクリック(MQL5\Logsフォルダが開きます。ファイル名は日付形式)。
  3. 古い .log を目安に削除します。
    MT5 ツールボックス → エキスパート タブで右クリック →「開く」をクリック

3) バックテスト(Tester)ログの削除

バックテストをよく使う場合は、Tester\logs も定期チェックして削除します(こちらも日付ごとに保存)。
本番運用のVPSでバックテストを行わない場合は、ここは不要です。

MT5 ストラテジーテスター → ジャーナル タブで右クリック →「開く」をクリック

削除対象の目安(日数と考え方)

  • 保持期間は運用ポリシー次第でOKです(例:7日以前や30日以前を削除)。
  • ため込みすぎないことがポイント。必要な検証期間を超えたログは積極的に整理しましょう。

フォルダへのアクセス方法

迷ったら、MT5メニューの「ファイル → データフォルダを開く」から目的のフォルダに移動できます。
MT5 上部メニュー「ファイル」→「データフォルダを開く」


MT5 Logs フォルダ画面

MQL5 フォルダ内 Logs フォルダのスクリーンショット

各タブ(操作ログ/エキスパート)の右クリック→開くでも、それぞれの保存先に直接アクセス可能です。


ローテーションの考え方(運用例)

MT5には保存日数を自動制限する設定は基本ありません
そのため、人間が期限で捨てるシンプル運用が効果的です。

  • 実運用端末(VPS含む):14日間保持、それより古いログを削除
  • 開発・検証用端末:7日間保持(デバッグ出力が多く肥大化しやすい)
  • バックテストのログは Tester\logs に貯まるため、検証サイクルに合わせて整理

※ 自動化(バッチ/スクリプト等)は別記事で解説予定です。本記事は手動ローテーションに絞っています。

よくある勘違い

  • 「操作ログの『Clear』で容量が減らない」:表示を消しているだけで、ファイルは残ります。フォルダで直接削除してください。
  • 「チャートの『Max. bars in chart』を減らせばログも減る」:これは表示本数/負荷の調整で、ログサイズを直接減らす設定ではありません。

安全に削除するための注意点

  • 削除してよいのは基本、LogsMQL5\Logs・(必要に応じて)Tester\logs内の.logファイルのみ。
  • BasesHistoryProfilesなどは別用途(相場データや設定)。意味が分からないまま削除しないでください。

まとめ

  • ログは日次で自動分割YYYYMMDD.log)。主な場所は LogsMQL5\Logs(必要なら Tester\logs)。
  • 各タブの右クリック→開くで保存先に移動し、古い .log を削除。
  • 「クリア」は物理削除ではない点に注意。フォルダで直接削除しましょう。

関連記事:VPS運用の基礎:止めない・重くしない


FAQ

Q. 「操作ログ」タブの「クリア」で十分ですか?
A. いいえ。Clearは表示だけを消す機能です。容量対策には、フォルダで .log を直接削除してください。
Q. どのファイルを削除しても安全ですか?
A. 基本は LogsMQL5\Logs・(必要に応じて)Tester\logs.log のみ。BasesHistoryProfiles などは削除しないでください。
Q. ログを削除するとEAの動作やバックテスト結果に影響しますか?
A. 過去の出力記録が消えるだけで、EAのロジックや成績には影響しません。
Q. どれくらいの期間を残すべきですか?
A. 用途により異なります。実運用は14日、開発・検証は7日を目安にし、必要な検証期間を越えたものから整理すると効率的です。
Q. バックテストをしないVPSでもTesterフォルダを削除すべき?
A. バックテストを行わないなら必須ではありません。ただし、過去にテストした履歴が溜まっていれば、Tester\logsの古いログは削除して問題ありません。
Q. チャートの「Max. bars in chart」を減らすとログも減りますか?
A. いいえ。これは表示や負荷の調整項目です。ログ容量の削減には直接関係しません。


コメントを残す