レイテンシを下げるVPSロケーション選び|EquinixとNY4/LD4/TY3の基礎・ストップ型EAの影響



まずは全体像(ここだけ読めばOK)

      • 成行エントリで数msを争うスキャルピングは、ロケーションが超重要。取引の速さが違えば結果が大きく変わります。
      • 取引の「速さ」に影響するのは、あなたのEAが動くPC/VPSと、ブローカーの取引サーバがどれだけ近いか(=ネット上の“距離”=レイテンシ)。
      • ブローカーのサーバーと同じ建物/同じ街に近いほど速く、大陸が違うと遅い、が基本。
      • 自宅のPCではなくVPSを利用することで、ブローカーのサーバーから近いロケーションで取引が可能になります。関連記事:EA運用は「VPS」か「自宅PC(オンプレ)」か?徹底比較
      • 一方、ストップオーダー中心のEA(指値/逆指値でエントリ、SL/TPで決済)は、注文がサーバ側に“預けられる”ので、レイテンシの影響を受けにくい=ロケーションに神経質にならなくてOK
      • 当サイトのEAはストップオーダー中心かつノースキャルピングなので、レイテンシの影響を受けにくい。

Equinixってなに?NY4/LD4/TY3ってなに?

World map showing major broker server locations (NY, LD, TY, AM, SG, SYD)

Equinix(エクイニクス)は、世界中に巨大なデータセンター(DC)を運営している会社です。金融・証券・FXブローカー・LP(流動性プロバイダ)が同じ建物にサーバを置き、超短い回線で直結しやすいのが強みです。

NY4/NY5/LD4/LD5/TY3は、Equinixが運営する特定の建物の“通称”です。

  • NY=ニューヨーク圏、LD=ロンドン圏、TY=東京圏。
  • 数字は建物番号のようなもの。
  • つまり「NY4にあるVPS」=ニューヨークのEquinix“NY4”ビル内という意味。

同じNY4の中にブローカーの取引サーバあなたのVPSがあれば、0〜2msみたいな“ほぼ隣接”の速さが狙えます。同じ街(例:NY4とNY5)でも一般的に2〜10ms程度で収まることが多いです。


どれくらい速ければいい?(体感の目安)

  • 0〜2ms:同じ建物レベル。超短期スキャやHFT寄りでも理想的。
  • 2〜7ms:同じ都市レベル。スキャ・自動売買でとても有利。
  • 7〜15ms:近接都市。多くのEAで十分速い。
  • 15〜40ms:同じ地域・同じ大陸。ミドル〜ロング足中心なら許容。
  • 40ms以上:大陸またぎ。スキャには不利になりやすい。

ストップオーダー中心のEAは、実はロケーションに強い

なぜ強い?

  • ストップ注文(指値・逆指値)やSL/TPはブローカーのサーバ側に“保管”されるため、発動(ヒット)や損切/利確の判定はサーバが自動で実行します。
  • つまり、エントリや決済の“瞬間”に、あなたのVPSからサーバへ信号を飛ばす必要がない(すでにサーバが注文を持っている)ので、レイテンシの影響が小さいのです。

関連記事:EA注文タイプとリスク比較|成行・ストップ・SL/TPとVPS停止時の安全性

いつロケーションが効く?

  • 最初に注文を出す瞬間(ストップ注文やSL/TPを置く)、値幅・ロット変更など“注文情報を更新する”瞬間は、もちろん近いほうが速いです。
  • ただし、成行で瞬発的に出し続けるタイプほどではありません。

結論:ストップオーダー中心のEAを選べば、ロケーションへの依存度はグッと下がります。スイング〜デイトレ系、イベント待ち戦略、レンジブレイクの逆指値などと相性◎。


かんたん3ステップ:あなたの最適ロケーションの決め方

  1. 自分の取引サーバ名を知る
    • MT4/MT5の右下の応答速度(ms)表示付近をクリックしてサーバ一覧を開き、サーバ名(例:…-LiveNY、…-RealLD、…-LiveTYなど)を確認。
    • サーバ名にNY/LD/TY/SG/FR/AMSといった“地域のヒント”が入っていることが多いです。
      IC Markets MT5 サーバーリスト(レイテンシー付き)—NY2(最速)、NY、NV、LD、FRK、SYD、SING
  2. 同じ建物 or 同じ都市のVPSを選ぶ
    • 可能なら同じEquinix(NY4/LD4/TY3等)をうたうVPSを最優先。
    • 見つからない/迷ったら、同じ都市(ニューヨーク、ロンドン、東京、シンガポール、フランクフルト、アムステルダム)を選択。
  3. 最後は“実測”で決める
    • VPS上のMT4/MT5でmsが小さいサーバを選べばOK。

関連記事;“最安VPS”を選ぶ:EA稼働に最適な低レイテンシ×安定稼働×コスパ徹底比較(2025年版・グローバル)


“ロケーション命”のEA / “敏感じゃなくて良い”EA

ロケーション命(同一建物〜同一都市を強く意識)

  • 成行エントリで数ミリ秒を争うスキャルピング
  • ニュース直後にバチッと入る瞬発型
  • 頻繁な玉の入れ替え・追随が前提

敏感じゃなくて良い(同一都市〜同一地域でも十分)

  • ストップオーダー中心(逆指値でブレイク待ち、指値で押し目・戻り待ち、SL/TPで自動決済)
    → ほとんどがストップオーダー中心のEAであれば、さほどロケーションを気にする必要はありません。
  • ミドル〜ロング足中心(1分足や5分足の超高速スキャではない)
    → 同一都市〜同一地域でも十分戦えます。VPSコストも抑えやすい。

当サイトのEAのロケーション選び

当サイトのEAはほとんどがストップオーダー中心であり、かつ30M〜1Hのタイムフレームで動作しますので、ロケーションに全く敏感ではありません(スキャルピングではありません)。これは、再現性の高さ堅牢性を確保するためです。


まとめ(やることリスト)

  • サーバ名で地域ヒントをつかむ(NY/LD/TY/SG/FR/AMS…)。
  • 同じ建物(EquinixのNY4/LD4/TY3等)>同じ都市>同じ地域の順で近づける。
  • ストップオーダー中心のEAなら、ロケーション依存を下げられる。
  • 最後はVPS上のMTで“msを実測”して、一番小さいものを選ぶ。

FAQ

Q. EquinixやNY4/LD4/TY3とは何ですか?
A. Equinixは世界的なデータセンター事業者で、NY4/LD4/TY3は同社の建物の通称です。ブローカーやVPSが同じ建物にあれば、0〜2msの超低遅延が狙えます。
Q. どのくらいのレイテンシなら十分ですか?
A. スキャルピングなら同一都市(2〜7ms)を目標、超短期なら同一建物(0〜2ms)が理想。ミドル〜ロング足中心なら15〜40msでも実用的です。
Q. ストップオーダー中心のEAがロケーションに強いのはなぜ?
A. ストップ注文やSL/TPはサーバ側に保管され、発動・決済判定もサーバで行われるため、瞬間的な通信に依存しにくいからです。
Q. 自宅PCよりVPSのほうが良いのはなぜ?
A. VPSはブローカーのサーバに近い都市/建物に置けるため、物理距離を短縮できます。自宅回線の速度より、VPS⇄ブローカー間の距離が重要です。
Q. 同じ都市なのに遅い場合は?
A. 経路や混雑の影響で差が出ます。VPS業者やプランを変える、別の同都市拠点を試す、回線品質(パケットロス/ジッター)も確認しましょう。
Q. 停電やPCが落ちた時でもストップロスは機能しますか?
A. サーバ側に登録済みのSL/TPは、VPSやPCが止まってもブローカー側で発動します。未送信の注文や変更は反映されないため、重要な更新は早めに行いましょう。


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